【読書メモ】今の時代に足りないものは『知の操縦法』
スマホを持っただけで自分が賢くなったと勘違いしている人へ。
あなたの知の力は知らないうちに低下しています。
佐藤優『知の操縦法』読書メモ
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スマホがあれば、なんでもわかる。答え(らしきもの)を用意してくれる。
便利な一方で、知性を削り取り中性脂肪を増やすものでもある。
ショートメッセージは書く力を低下させる。
簡単にまとめられた記事は読む力を奪う。
ネットで得た知識は、真の答えとは言えない。それは多様な解釈の中のたったひとつを知ったにすぎない。
ネットと本では得られる知識の量も質も圧倒的に違う。ネットに載っていないことが本には載っている。
こんな知的劣化は、反知性主義と新自由主義が原因だと本書は指摘する。
反知性主義=バカ、という使い方が多いが、佐藤氏は「客観性、実証性を軽視もしくは無視して自分が欲するように理解する態度」としている。
コレに新自由主義=ワンパターンの押し付けがくっついて、知の体力の低下がおきていると説明する。
ではどうすれば知の力を取り戻し、解釈の多様性を認めることができるのか?
それは百科事典で得られるような「体系知」である。ヘーゲルのいう「全体」「Werden(生成)」である。Wikipediaではない。
ここは詳しく書かないでおこう。読んでわかった気になってしまっては知性劣化につながる。
この本のおかげで、時間と労力をかけなければ得られないものへの憧れがますます強くなった。
高等教育が終了して社会に出ると、とたんに実学重視になって即戦力が求められる。教養的なものは切り捨てられる傾向にある。
昔はすぐ手に入るものを求めていたが、逆にじっくり時間をかけるものを重視するようになった。
哲学、歴史、芸術、音楽。切り捨てては知性が劣る。
物も情報も簡単に手に入る時代だからこそ、長い文章を読んで頭を痛め、ウンウンうなって1000字以上の記事を書こう。
筋トレと同じく、知の力も筋肉を傷めつけて増大させないとどんどん衰えていく。
ネットの情報を切り貼りして、自分で文章考えない・写真も撮らない。お金も労力もかけないでPVと収益稼ごうっていうのはライティングの本質から離れている。Google先生アルゴリズム変更ありがとう。
— むんと (@kkomund) 2017年2月3日
中身がスカスカ、コピーペーストの記事はたしかに簡単に作ることができて楽だ。でもアクセス数などの成果には出てこないし、力もつきにくい。
それに大量に読まないと書けない。自己啓発本だけを読んで書いた記事は胡散臭い。
情熱とか熱意とか言葉にした途端胡散臭くなるよねえ
— むんと (@kkomund) 2017年2月6日
だからブログはいい筋トレになる。
反知性主義的な権威に騙されないためにも、労力をおしまずに体系的に読んで書こう。乱読雑記も好きだけどほどほどに。
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